
銀行への借金返済は容易ではない。
しかし優子にすれば念願騎の夢であった自分の店である。
スポンサーのいない自分だけの小さな女の城である。
スナック「優子」はまあまあの売り上げだった。
経営者の優子と、二人のホステス。
三人がやっと生活出来る、というものであった。
売り上げの半分は借金の返済である。
売り上げを伸ばすにほ客を引きつけ、逃がさないことである。
優子は、これは、と思った客には誘いの手を伸ばした。
客が乗ってくると、看板後に近くのラブホテルに入った。
客との情事は優子には単なる売り上げ伸ばしだけの目的ではなく、
女としての肉欲の解消でもあった。
三十さいざかり、四十やりぎかりーといわれるように、
四十歳をすぎた優子にとってあそびざかりであった。
夏の終わりのころ。